Ultimate Rondo

アトリエシリーズとゲーム音楽とその他いろいろ

ついに見えた、新たなアトリエの姿。「ライザのアトリエ3」感想とこれからのアトリエへの期待

秘密シリーズ3作目、そしてライザの旅の終着点。「ライザのアトリエ3」が発売されました。

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私は発売日の夜から丸2日間、寝るかアトリエかという生活を送り一気にクリアしました。とても楽しかったです。

このブログでは「ライザ2」「ソフィー2」と激重長文感想記事を書いてきましたが、今作でもしっかり書かせていただきます。

おことわり

  • 直接的な表現は避けますが、秘密シリーズ3作全てのストーリーに言及する可能性があるため、ご注意ください。端的に言えばネタバレを含みます。
  • この記事の感想は全て私の主観的なもので、絶対的な良い・悪いという評価を主張するものではありません。
  • PS4版のソフトウェアバージョン1.01(タイトル画面の表示は1.00a)でのプレイ記憶を元にしています。記載内容がアップデートで改善・変更されている可能性があります。難易度設定はNORMALです。
  • 作品名を指す時は「ライザ」「ソフィー」のように鉤括弧付きの略称で書きます。また記事中の前2作という表記は「ライザ」「ライザ2」のことを指します。

ストーリーとキャラクター

メインストーリーの構成は良く練られていて、難解複雑でなく入り込みやすいと感じました。そして何より、キャラクター達の魅力が引き立つストーリーでした。

パーティメンバー11人のうち、前2作から続けて登場した8人はしっかりと成長が描かれ、そして新キャラ3人は魅力的でメインストーリーにも絡むので、全員に愛着を持つことができました。戦闘で全員を使うことはなかったですが、戦わなくても存在感は十分に感じられたし、控えメンバーも含めて戦闘中に皆が喋るのが良かったです。

私が前2作で気になっていた点も改善されていました。

  • 「ライザ」では故郷であるクーケン島の閉鎖感と陰湿さが強調され、村会で追及を受けた時の解決方法も真に理解し合うのではなくマッチポンプでやり込めて終わりと非常に印象が悪かったです。終盤でボオス個人とは和解したものの、身勝手な物言いの漁師に代表される住民の印象は最後まで悪いままでした(「リディー&スール」で故郷の人々の温かさが見事に描かれていたので尚更ショックでした)。対して今作のフェデリーカとディアンは、自身の故郷の問題と向き合い人々と理解し合う過程がしっかり描かれ、意見が対立していたキャラの印象も良かったです。
  • 「ライザ2」ではストーリーの展開がワンパターンで、ライザ達の無謀な行動や察しの悪さにプレイヤーが付き合わされているという印象を受けました。対して今作ではパーティメンバー全員が思慮と信念を持ち、それぞれの役割を果たすことでストーリーが進んでいきました。

「ソフィー2」から引き続きキャラクターの表情が効果的に使われ、イベント中の会話のテンポも良くなりました。さらに今作ではイベント終了後に探索等の操作をしながら会話の続きを聴くことができます。これはとても画期的で、11人もいるパーティメンバーになるべく多く喋ってほしい、でもイベントに長く拘束されたくない、その両方を解決する素晴らしい工夫でした。

そして深くは語りませんが、前2作で「このキャラ達のその後を描いてほしい」と思っていたいくつもの点を、期待以上にしっかり描いてくれました。男女関係について従来のアトリエ作品と比べるとかなり攻めた直接的なセリフもありましたが、秘密シリーズ最終作ということもあって思い切ったのでしょう。私は良いと思います。

鍵システム

今作のメインストーリーとほぼ全てのゲームシステムを横断する「鍵」は、それ自体が非常に魅力的なシステムでした。

従来のアトリエ作品の多くでは、

  • 触媒や活性化アイテム等の、調合を拡張する要素
  • 栄養剤や秘密バッグ等の、探索を便利にする要素
  • チェインバースト等の、戦闘での明確なチャンス状態の発生

これらのうち全部または一部がそれぞれ別のシステムとして実装されていました。今作はそれに装備品としての役割を加えた4つの役割を鍵システムがまとめて担うことになります。

開発者インタビューでは、

と語られています。実際にプレイした印象も、とりあえず作って使うのは簡単である一方で、狙った効果を出すことは面倒だと思いました。私もこの設計思想に乗っかって勿体ぶらずに鍵を使い、鍵システムを楽しむことができました。しかしこれは、設計思想から外れて鍵を管理しようとすると絶望的に不便になるので諦めたという一面もあります。

ストーリー攻略中はともかく、戦闘面でのやり込みやアイテムの作り込みをする時はある程度は鍵を管理したくなります。特に調合で使うシンセサイズ効果は従来作品の触媒や活性化アイテムのような機能であり、これらは運良く持っていれば使えるボーナスではなく最終的には一通り揃えておきたいインフラだと思っています。また鍵を装備した時のシンボル効果も、複数の効果が複合したものは再入手が難しいのでついつい貯め込みたくなります。そうしていくとコンテナで鍵一覧を見たときにはグチャグチャです。

複数の要素が鍵システムに集約されることは良いとしても、1つの鍵に役割の違う効果(シンボル効果とバースト効果など)が混在しているメリットは特にないと感じました。一方で管理が煩雑になるデメリットは感じたので、入手方法が共通だとしても4種類の役割に分かれて別々に管理できればそれだけで大きく改善されると思います。

とはいえ全体的には好きなシステムで、「鍵」というモチーフ自体のカッコよさもあってゲーム体験を大きく引き上げてくれました。

探索

私は「ライザ2」の探索では多くの点でストレスを感じていましたが、今作は「ソフィー2」から継承した要素など多数の改善が加えられ、快適に探索することができました

採取に関して。カゴの初期容量はついに300となり、素手での採取は歩きながらできるようになりました。霊獣に乗っていても素手採取ができるので移動中に素材を沢山集めることができます。秘密シリーズはジェム還元があるので素材の物量はあればあるほど良く、気軽に採取できるのは便利でした。

一方で○ボタンの素手採取が快適すぎるためか、□ボタンの道具採取の不便さが目立ちます。採取時に立ち止まるのは仕方ないとしても、取れる物を確認するために道具を切り替えていると敵が寄ってくるのは辛いです。採取ポイントに対する立ち位置の判定も厳しく、採取ポイントに近づきながら連打すれば良い○と違って□だと虚しく素振りしてしまいます。採取ポイントに近づいた時のアイコンで○と□のどちらか分かる等の地味な工夫もしてくれていますが、やはり「ソフィー2」のように採取ボタンは共通のほうが良いと思います。

もっと言うと「ソフィー2」では採取とスイングがともに□ボタンでしたが、私が思う理想はこうです。理想というか「ソフィー」までのシステムそのままですが。

  • ○ボタン:話しかける・調べる・採取(素手/道具共通)
    • 目の前に対象がない場合は何も起こらない、連打できる
  • □ボタン:戦闘突入のためのスイング

目当ての素材を探すのは相変わらず大変です。一応探索リストを活用すると、ランドマークに印が付くのと採取ポイントに近づいた時のアイコンが変わるのですが、あまりにも地味です。せっかく探索リストという仕組みを作るのであれば、「ソフィー2」のガイド機能のように地図に表示して欲しいです。

敵シンボルの多くは広い所にいるので移動中は避けやすく(□採取との相性は最悪です)、ランダムクエストが適度に発生するので自分から戦ってみようかなという気になります。敵のHPが多い上にクエストの戦闘は連戦になることも多いので戦闘時間は長いですが、それくらいは戦闘してくれということなのでしょう。

世界の描写に関して。今作の世界は非常に広く、「4つの地方からなる広大なフィールド」というのが今作の売りの1つとして打ち出されています。グラフィックも進化し(背景のボケについてはアップデートを待ちましょう→改善されました)、特にカーク群島の美しい景色には感動しました。

一方で1つ1つの場所の特徴が薄く、一般的な平原や遺跡は別地方でも似たような景色に見えます。異界オーリムは他の地方と比べると異質ですが、オーリムの中での景色はどこも同じなのでバリエーションはあまり増えていません。今作で場所ごとの特徴を最も感じたのがメイプルデルタなど以前から存在したクーケン島周辺ということもあり、世界が広がったと言っても単に「面積が増えました」という点に留まっている印象です。ラストダンジョンの雰囲気や建物等の作り込みはとても良かったです。

「トトリ」や「フィリス」では明らかに景色の違う特徴的な場所がいくつも登場し、そちらのほうが結果的には広い世界を冒険している感覚を味わうことができました。今後の作品では面積の広さだけでなく、強く記憶に残るような場所の演出に期待します。

ランドマークに関して。今作のランドマークは鍵生成、イベント発生、ファストトラベル、エリアマップ開放と多くの役割を持っています。「ソフィー2」の記事に書いた点なので改善は嬉しいですし、ファストトラベルはとても便利です。

一方でランドマークを訪れないとエリアマップが開放されないのは不便でした。ミニマップの範囲は狭く、相変わらず高低差は激しく直線距離での方角が当てにならないので、ランドマーク到達前に迷うと地獄です。私は普通に歩いた場所が開放される仕組みのほうが好きですが、それに加えてランドマークに到達すると周囲が一気に開放される等のボーナスがあると良いと思います。

ジップラインやイルカなど移動を快適にする方向での追加ギミックが複数登場したのは嬉しいです。ライザを特定の姿勢にさせたいだけのハイハイ等のノロノロギミックは健在なのですが、宝箱のためだけのものやファストトラベルで2回目以降は通らなくていいものがほとんどだったのでまあ良いかなと。「ライザ2」の時は本当に嫌いな要素でしたがファストトラベルが充実するだけで驚くほど容認度が上がりました。

今作の宝箱は数が多く、アトリエ建築の効果を使っても集めるのが大変ですが、大したものが入っていないので別に無視しても良いのが幸いでした。これで参考書とか入ってたら大変だった。旅人の見聞録はさらに大変ですが同じく無視しても問題ありません。

宝箱の中身があからさまにショボいのは恐らく意図的で、ストーリーやイベント攻略に必要な探索と隅々までコンプリートしたい人向けの探索を分けているのでしょう。「ライザ2」で辛い遺跡探究がストーリー進行に必須だったことと比べると良い設計だと思います。宝箱の数を絞る・道中のノロノロギミックを減らす・マップと宝箱自体の視認性を良くする等で宝箱をストレスなく回収できるのであればそれが一番良いんですけどね。

細かい点では、戦闘後のドロップアイテムが移動可能になってからさり気なく表示されること、イベント戦では通常のリザルト画面がなくイベントが進んでいくこと、セーブデータをロードしてもダッシュ状態が保存されるようになったこと等が良い改善だと思いました。細かいテンポアップや手間の削減に気を遣ってくれた印象です。

調合

調合システムは前作ほぼそのままです。鍵システムのところで書いたシンセサイズ効果の集めづらさはあるものの、調合そのものとアイテムリビルドや複製の仕組みも含めて相変わらず遊びやすいです。

「ライザ2」の記事に書いた感想をそのまま今作でも持ちましたが、改めて書くと秘密シリーズの調合システムの画期的な点は

  • 投入回数以内であればどこにでも材料を追加できて、入れれば入れるだけ効果が良くなる

という点だと思います。従来のアトリエって意外とこのシステムはないんですよね。指定された材料が4つならちょうど4つ(複数個同時に作れる場合はその個数倍)の材料を使う必要があって、中和剤だけ1個多く使うみたいなことができない。その制約によって計算パズルのような魅力が生まれていましたが、秘密シリーズの調合は制約を取り払うことでアイテム作り込みの新しい体験を提供してくれました。

レシピの多くはスキルツリーで覚えていくことになるのですが、スキルツリーの全体が見えないので運と直感を信じて手当たり次第に開けていくことしかできず、ストーリー攻略中は常にSP不足を実感していました。というか装備材料と装備品がスキルツリーで真逆の方向にあるのはどうなんでしょう。私のライザ達は終盤までボーンアーマーを着ていました。

アイテム関連で気になった細かい点が1つ。コンテナや調合材料などの並び替えで同じものを複数回押すと逆順になるのですが、今どちらの順で並んでいるのか表示して欲しいです。

戦闘

秘密シリーズ3作を通して採用されたリアルタイム戦闘。今作はキーチェンジによって爽快感は増しましたが、根本的な課題は解決されていないと感じました。

やはりオートで動く仲間の行動をほとんど制御できないのが致命的だと思います。作戦は一瞬でAPを使い切るか上限まで貯まっても使わないかの極端な2択。クイックアクションのためにAPを10だけ残す、みたいなことはできません。攻撃アイテムは使うが回復アイテムは恐らく使わず、薬を持たせてHPを削っても、ネクタルを持たせて操作キャラを戦闘不能にしても知らんぷりでした。

コストターンバトルでは可能だった、キャラの個性を活かした役割分担、敵の行動を予測したWT調整、大技に備えたターゲット集中や全員防御、状態異常やピンチの仲間のカバー、そういった戦略的な戦闘はできません。モンハンのオトモのようにそもそもキャラ性能に圧倒的な差があるならともかく、本来操作キャラと同等の戦略的行動ができるはずの仲間キャラが殴り担当にしかならないのは悲しいものです。回復してくれる分アイルーのほうが優秀かもしれません。

今作はこの歯痒さをキーチェンジのシステムで強引に吹っ飛ばしています。キーチェンジはほとんど全ての行動の待機時間をゼロにするというトンデモ効果で、操作キャラ(特にアイテムを使いやすいライザ)が動きまくることで攻撃も回復も1人で完結します。これはこれで楽しかったし、勢いと爽快感がライザ3の戦闘の魅力であるならこれが1つの完成形なのでしょう。

とはいえ仲間がオートで戦うRPGは、TOD2の非常に賢いオート操作と作戦設定、FF12の細かく行動を指定できるガンビットなど、15年以上も前に洗練されたものが世に出ています。もしアトリエが今後の作品でもリアルタイム戦闘や仲間のオート行動を採用するのであれば、仲間を少しでも賢く動かせるシステムを検討して欲しいと切に思います。

戦闘メンバーは前衛3人+後衛2人の計5人です。これは私のプレイスタイルの問題ですが、私はアイテムをしっかり回すために操作がライザ固定で、操作キャラと入れ替えないと戦わない後衛キャラはほとんど使いませんでした。どうせ前衛の仲間も単純な攻撃行動しかしないのであれば、後衛からも自動で遠距離攻撃や回復が飛んでくる等あってもいいのかなと。

細かい点だけど頻繁に気になるのがフェイタルドライブの○長押しという操作。待機中に一番連打したくなるボタンを押すとFD準備になって待機時間が止まるのが最悪です。さっさと撃てば良いのですが、演出が長い上に撃つとT-LvとAPが空になって一気に動きが鈍くなるので基本撃ちたくありません。普通にターン回ってきた時に□から選択のほうが良かったです。

音楽

前2作と同系統で、非常に高品質で優等生的、しかし没個性的で驚きや感動は薄い。そんな印象を持ちました。

特に良いなと思ったBGMはラストダンジョンの「ひと夏の足跡」、サルドニカの「魔石と硝子はこわれもの」、汎用ボス戦の「揚げ雲雀群青」など。あとやっぱり「ソラミミ」好きだなと思いました。

前作では遺跡ばかり巡っているのでBGMの印象が薄いのも仕方ないのかなと思っていましたが、今作も場所そのものの個性が薄いのが理由かもしれません。比較対象として思い浮かぶのが「リディー&スール」の絵画世界のBGMで、あれだけ各場所の風景やイベントに強烈な個性があればBGMの傾向も変わったでしょう。

戦闘BGMも良い曲なのですが、数が少なくラスボス以外は汎用曲です。通常戦闘曲も「Sweep!~その3~」や「向日葵~その3~」のようにストーリー展開に合わせた盛り上がりは薄く、ボス曲も「Astral Blader」や「紫電清霜」のように戦う相手と結びついた強烈なイメージがないので印象に残りづらいです(比較対象が強いのは認めます)。「揚げ雲雀群青」は曲としてはすごく好きなんですけど、因縁の相手と戦うぞ!みたいにイベント展開が熱い時に流れるとどうしても汎用曲かあという感情が…。

秘密シリーズも3作目ということで、私も発売前からバチバチに個性溢れる曲や攻めた曲は期待していなかったので、予想通りと言えば予想通りです。繰り返しになりますが、とても高品質で良い曲なのは確かです。

EDテーマの「Travelers」はとても良かったです。ライザ達のこれまでの冒険を締めくくり、これからの旅路を祝福するような曲です。ストーリーの結末を見た直後には、歌詞と「Travelers」というタイトルが深く染みました。

総評

プラス面マイナス面色々書きましたが、総合的には楽しかったしとても満足しています。ストーリーとキャラクターの完成度は高く、探索面では「ライザ2」で大きく失われた快適性を取り戻してくれました。調合と戦闘のシステムからは秘密シリーズならではの新しい挑戦を感じることができました。

秘密シリーズは「なんてことない」をキーフレーズとしていたように、身近に思えるような風景や寂れた遺跡が主な舞台でした。良く言えば現実世界の人間であるプレイヤーの原体験を呼び起こすもの、悪く言えば没個性的。ファンタジー感を抑えたフィールドの描写や優等生的にまとめられた音楽の傾向は、良くも悪くもその世界観に従った結果だと思うと納得できます。

今になって思い出すのが、「ライザ」発売2ヶ月前の電撃PlayStation表紙に書かれていた「ついに見えた!新たな"アトリエ"の姿」というフレーズです。私は「ライザ2」の記事に書いたように秘密シリーズには色々思うところがあり、3作目にしてようやく秘密シリーズが作りたかった新たなアトリエの姿を理解できた気がします。

私個人としては過去の感想記事で書いたことが多数改善されていてとても嬉しかったです。ガストちゃんが長大なアンケートを廃止して以降、プレイヤーの意見をどこから集めているのかは気になっているのですが、1人のプレイヤーとして発信した記事が僅かにでも届いたのであれば幸いです。激重長文感想記事を書き始めた最も強い理由は、「ライザ2」で快適性が大きく失われたと感じたからというネガティブな理由なのですが、結果的に書いて良かったなと思います。

私が記事を書くときは他の人の感想も読んで同意できる点を取り入れながら書いていますし、私の記事を読んだ方が同じ感想や違う角度からの感想をどこかで発信することもあるでしょう。そうしてファンの1人1人が作品とクリエイターへの敬意を持って感想を発信していけば、開発の方々に届くこともあるかもしれません。秘密シリーズは私自身が作品との向き合い方と感想の発信の仕方について考えるきっかけにもなりました。

時間はかかりましたが、ライザ達の長い冒険とともに「新たなアトリエの姿」を受け止めて楽しませていただきました。3作通して開発お疲れ様でした、ありがとうございました。アニメも楽しみにしています。

今後への期待

ということで気になるのが秘密シリーズの次のシリーズです。めちゃめちゃ気が早いのですが、秘密シリーズを総括したこのタイミングで書いておきたいので。7月には「マリー」のリメイクが発売されますし、「ルルア」や「ソフィー2」のように過去シリーズの作品が作られるかもしれませんが、遠くないうちに新シリーズは始まるでしょう。

過去の傾向からするとそろそろ「原点回帰」しそうな順番ではありますが、どうでしょうね。過去シリーズの作風に寄っていくかはともかく、最新の秘密シリーズと違いが際立つようなシリーズになって欲しいと思います。

世界観や全体的な風景デザインについては、秘密シリーズは身近に思えるような風景や寂れた遺跡が主な舞台でした。これとの違いを際立たせるのであれば、やはり「リディー&スール」の絵画世界のような非日常とファンタジー感が溢れる世界観が思い浮かびます。

それとは別に、私がずっと密かに期待しているのが和風アトリエです。今までにない試みですし、西洋ファンタジー色が強かった時代は望み薄だと思っていたのですが、ここまでアトリエの世界が多様化して秘密シリーズが完結した後ならいけるんじゃないかなと…どうですかガストちゃん…。

キャラクターデザインや音楽については、世界観が大きく変わればそれに合わせて変わっていくと思うので、イラストレーターさん・作曲家さんと開発の方々との綿密なやり取りから良いものが産まれることを期待しています。キャラクターの性的特徴の強さについては色々言われていますが(今作の3Dモデルの体型も極端だなとは思った)、「ライザ2」のようにゲームプレイを邪魔するものにならなければ私はどちらでも構いません。世界観とイラストレーターさんの作風に合っている方が大事。

音楽について1点具体的な要望を言うとボス戦は敵に合わせた専用曲が欲しいです。そして専用曲を持つに相応しい魅力的なボス敵も。

システムについては、何より戦闘システムを十二分に検討して欲しいです。秘密シリーズのリアルタイム戦闘は3作目となった今作でも十数年レベルで遅れている(あるいは極度に簡略化されたスマホゲームの流れに甘んじている?)と感じているため、戦略性を取り戻すためにターン制バトルに戻すのか、他社ゲーム作品の歴史から学びしっかり仲間と共闘できるリアルタイム戦闘を構築できるのか、楽しみにしています。私はターン制が良いと思いますけどね。

ということで、激重長文感想記事はこれで終わります。これまでのアトリエへの感謝と、これからのアトリエへの期待を込めて。ここまでお読みいただきありがとうございました。