Ultimate Rondo

アトリエシリーズとゲーム音楽とその他いろいろ

CS新作、そして新シリーズに期待!アトリエシリーズで復活して欲しい要素を語る

はじめに

この記事は昨年の7月ごろ、「ライザ3」と「マリーリメイク」をプレイし終えた時期に書いていたものです。ライザの三部作が完結し、懐かしい作品のリメイクもあり、さあ次は新シリーズかな?という期待を込めて書いたものです。下書きをしている最中にA25扱いでスマホゲームが出ることが発表され、私の失望のうちにこの記事はお蔵入りとなりました。

それから約半年が経ち、そろそろコンシューマ正統新作を期待しても良い頃かなと思いまして。ここ最近はNintendo Directで新作タイトルが発表されることが多く、冬のNintendo Directは2月開催が多いため、その意味でも期待が高まります。

今の私の最大の関心は、

  • 「ソフィー2」「ライザ3」までの作品で地道に培われてきたゲームシステムの奥深さ・快適さ・完成度
  • ストーリー・ゲーム攻略の両面でオリジナルキャラクターが活き活きと活躍するRPGとしての魅力

がしっかり保たれ、さらに進化してくれるかという点です。しかしそれはアトリエ正統新作に求める最低ラインであってそればかりを語っても仕方ありません。A25が発表される前の気持ちに戻り、当時の文章をなるべく書き換えないまま公開し、次なるコンシューマ新作アトリエへの期待としたいと思います。

はじめに2(A25発表前に書いていたもの)

アトリエシリーズは26年の歴史の中で、そのゲームシステムを大きく進化させてきました。最近では特に「ソフィー2」の痒い所に手が届くようなシステム改善が印象的で、今後さらに快適で楽しくなるようにゲームシステムを進化させ続けてくれるでしょう。

一方で、過去の作品にあった便利な要素や楽しい要素が、最近の作品で採用されなくなってしまったことも多々あります。最新作を遊ぶ時には消えてしまった要素を触る機会はないため、言及されることも少ないかもしれません。しかしこのまま消えてしまうのも惜しいと思います。

この記事を書いている時点(※昨年書いていた当時)でまさにアトリエ新作発表が控えていますし、秘密シリーズが3作出て新シリーズへの期待も高まっている時期です。この機会に色々語ってみようかなと思います。

スイング強化

シンボルエンカウント形式の作品で、ザコ敵のレベルが自分たちより十分低い場合に、スイングを当てると戦闘無しで倒した扱いになるシステムです。「メルル」「シャリー」などに採用されていて、アトリエ作品で初めてシンボルエンカウントが採用された「イリスGF」にもあります。

敵シンボルに対してスイングできるシステム自体は最近でもほとんどの作品にあって、先制が取れるなど有利な状態で戦闘を開始できるのですが、そのまま倒してしまえるシステムは採用されなくなって久しいです。

ドロップアイテム集めが楽になるだけでなく、探索や採取が快適になり、スイングで敵を潰していく爽快感もなかなかです。けっこう好きなシステムなので復活して欲しいなと思います。

確かに便利だけど楽になりすぎでは?という意見もあるかもしれません。物語の中盤以降くらいで、格下のザコ戦が一瞬で終わって蹴散らしていけるならこのシステムは無くても良いのですが、最近のアトリエは格下相手であっても戦闘時間が長くなりがちなシステムになっています。秘密シリーズが3作通して実時間の経過を待たないといけないシステムだったことに加え、「ライザ3」では敵のレベルが味方に連動する仕組みによってザコ敵でもHPが多く、「ソフィー2」では戦闘開始時に付与されるオーラによってダメージが軽減されます。

アトリエに限らず、RPGの戦闘にメリハリや盛り上がりを付けようとして「戦闘中に段々ギアを上げる」システムを作ると、必然的に戦闘開始直後の攻撃は弱くなってしまい、ザコ戦にまで儀式的な手順が要求されて戦闘時間が長くなる現象はよくあります。今後のアトリエでも、戦闘システムを凝った結果さらに戦闘時間が長引いてしまう可能性は十分あります。ボスや強敵相手はメリハリのある戦闘を楽しめる一方で、回数の多い格下のザコ戦はさくっと省略できる、そういった良いとこ取りを強化スイングによって実現できると良いと思います。

戦闘中のおおまかな待機時間表示

これは「ソフィー2」で大きく気になった部分です。

アトリエシリーズの多くの戦闘では「コストターンバトル」と呼ばれる、各行動の待機時間によって行動順や行動回数がその都度変化していくターン制バトルシステムを採用しています(「トトリ」「ソフィー」などいくつか例外あり)。そのうち「イリス2」から「ルルア」までの戦闘画面には、各キャラの次の行動までの待機時間をカードの枚数や見た目の長さで視覚的に示すものがあります。タイムラインやタイムカード等のように呼ばれています。

これが「ソフィー2」では次の行動が回ってくる順序のみが表示され、待機時間が長いか短いかという情報がなくなってしまいました。感想記事にも書きましたが、待機時間を見ながら行動を決めていくのも戦略として楽しい部分なので復活して欲しいと思います。

従来作の待機時間表示は変な挙動に見えることがあり、カード式だとカード1枚分の間隔が示す待機時間が固定されていないので、上の方で詰まったり急に何枚も下に飛んだりすることが頻発します。それが分かりにくいという理由で廃止されたのかもしれません。逆に「アーシャ」はカードがない代わりに、敵味方の表示が密集してしまうとどの順番で動くのか分からないというデメリットがありました。

個人的な理想としては「アーシャ」に近く、カードや目盛りは無くても良いので、見た目の長さと待機時間が可能な限り比例していて、密集して行動順が分かりにくいところだけ間隔調整される(あるいは詳細情報画面で順番を確認できる)感じだととても嬉しいです。とはいえ「リディー&スール」「ルルア」等のいつもの仕様に戻るだけでも、「ソフィー2」より戦いやすくなるので全然OKです。

図鑑のキャラ会話か、キャラ目線での説明文

私が不思議シリーズで大好きな点の1つが図鑑です。図鑑に載っているアイテムや敵などについて、キャラ達がデフォルメされた顔アイコンで会話をしていて、1つ1つは短いながらも笑える会話や感動する会話などバラエティに富んでいます。この形式は不思議シリーズ4作品と「ルルア」で採用されています。

また、「マリー」から「ヴィオラート」までの5作や「メルル」では、図鑑の説明文の書き手が主人公の口調になっています。この形式も、それぞれの主人公たちの性格や魅力が伝わってきて好きです。「メルル」のメメモや「リディー&スール」のやることメモなど、主人公たちが目標達成のために書いている文章も同様です。

一方で秘密シリーズの図鑑は、キャラ目線ではない説明文です。不思議シリーズのように全アイテムに面白い会話文を考えるのは大変かもしれませんが、図鑑の文章がキャラ口調に変わるだけでも受ける印象はかなり違うので、どちらか復活して欲しいと思います。

※という文章を書いた後に、アイテム説明の一切ないA25の図鑑を見てしまい、説明文があるだけマシだと思ってしまったわけですが…。

音楽堂の作曲者コメント

アトリエ定番機能として、クリア後にイラストやBGM等を一覧で楽しむことができる「Extra(おまけ)」があります。従来多くの作品では、このBGM1曲ずつに作曲者さんのコメントが付いていたのですが、「ライザ」以降なくなってしまいました。

作曲者さんが曲に込めた想い、キャラや作品への愛、こっそり入っている過去作オマージュ等の小ネタ、そういったものが作曲者さんそれぞれ自由に語られています。クリア後に余韻に浸りながら、曲を聴きコメントを読むというのを毎回楽しみにしていたのでとても残念です。「ライザ3」ではゲーム内ではなく特典の「おとのはしらべ」にコメントが掲載されていて(つい最近知りました)、これだよこれ!と感激しましたが、できればゲーム内で読みたいものです。

確かに全曲書くのは大変でしょうし、ガスト(コーエーテクモ)を退社されて外部から参加されている作曲者さんも多いので難しいのかもしれませんが、復活して欲しいと思います。

特定のボスの専用BGM

最近のアトリエで思うのが、このボスにはこの曲!という特定のボスや種族の専用曲が非常に少ないことです。流石にラスボスには専用曲がありますが(「ネルケ」にはなかった…)、それ以外の専用曲は作品ごとに0~1曲で残りは汎用曲というのが続いています。特に秘密シリーズは3作通して少ないです。

汎用曲も良い曲なのですが、後で聴いた時に戦う相手が思い出せないので印象が薄く、イベントの展開がとても熱い時に汎用曲が流れると私はちょっと冷めます。

「Nefertiti」「Astral Blader」「紫電清霜」「ドロシアの虎」「Rabbit & Crow」「Losaria」など挙げたら色々ありますが、特定のボスや種族の専用曲のほうがそのボスのイメージにぴったり合った曲になっているし、イントロを聴くとボスの登場シーンまで鮮明に思い出せる曲もたくさんあります。こういうボス曲が復活して欲しいと思います。

ストーリーボスに関して言えば、秘密シリーズはそもそもBGM以前の問題でストーリー中に戦うボスの印象が薄いです。「トトリ」のフラウシュトラウト、「シャリー」の水の王、「リディー&スール」のファルギオルなどは、ストーリー展開の熱さ、ボスそのものの格好良さ、そして魅力的な戦闘曲と全てが噛み合って素晴らしいボス戦になっていると思います。秘密シリーズ3作の中で、これらの過去作ボス戦と肩を並べられると思うボス戦は1つもありません。新シリーズでは是非、まずは魅力的なボス戦を、そしてその魅力をさらに高める専用曲を、よろしくお願いいたします。

おわりに

前々から思っていた点や、過去作の攻略本などを眺めていて「これ良かったなあ」と思う点などを挙げてみました。他にも細かい点や個人的にそこまで強い要望ではない点も思いつきましたが割愛しました(フィニッシュジングルとか)。後から思い出したけどめっちゃ復活して欲しい点がもしあればこっそり加筆するかもしれません。

次のコンシューマ新作は果たしてどんな作品になるのか、今から楽しみですね。