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「マリーのアトリエ Remake ~ザールブルグの錬金術士~」で注目したい点とリメイクの予想

2023年2月9日のNintendo Directで、アトリエシリーズ1作目「マリーのアトリエ」のリメイクが発表されました!

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最初のバージョンが発売されたのは1997年5月。リメイク版の発売が2023年の夏ということで実に26年の時を超えたリメイクとなります。

アトリエシリーズ1作目ということで、その特徴を紹介する際には特徴そのものよりも「原点」などの言葉が使われがちです。確かに最近のアトリエと比べると「マリーのアトリエ」の各種システムはシンプルですが、今振り返っても特徴的な点というのは沢山あります。

この記事では私が思う「マリーのアトリエ」の特徴を紹介し、それが今回のリメイクでどうなるのかという注目点と予想を語っていこうと思います。

ちなみに過去に移植や追加要素だけでなくシステムもリメイクされたアトリエ作品として「新・ロロナのアトリエ」があり、調合や戦闘のシステムが「メルルのアトリエPlus」をベースに大きく変更されました。そのため今回のリメイクではシステム面の大きな変更もあり得そうだ、という前提での予想です。

注意など

私がプレイしたのはPlayStationおよびゲームアーカイブスの「マリーのアトリエ Plus」です。この記事ではこれをオリジナル版と呼びます。

本記事はオリジナル版「マリーのアトリエ」のシステム、ストーリー、エンディング等のネタバレを多数含むため、オリジナル版またはリメイク版をネタバレ無しで楽しみたいという方はご注意ください。

ストーリーとゲーム進行

マリーの目的はアカデミーの卒業です。最近のアトリエではあまり採用されなくなった日数制限のあるシステムであり、5年間の中で卒業条件を満たすといわゆるノーマルエンド、さらに特定のイベントやボス撃破などの条件を満たすとエンディングが分岐します。卒業条件は「中くらいのレベルのアイテムを何か1つ調合すればOK」とかなり緩く設定されています。

最近のアトリエはメインシナリオがあってラスボスがいるという形式が多いですが、「マリーのアトリエ」にはありません。「ロロナのアトリエ」や「エスカ&ロジーのアトリエ」のような定期的な課題もないのでかなり自由です。

リメイク版でもゲーム画面に「あと4年」という表記があるので日数制限は変わらないようです。またナレーションが「仲間たちとのエピソードも追加」と言っているので何かしらのイベント追加はあります。

メインシナリオについてはこのままという可能性ももちろんありますが、

  • オリジナル版で最もメインシナリオっぽい(と思う)シアの病気イベントがより重視され、メインシナリオとして扱われる
  • 「新・ロロナのアトリエ」のように卒業後の延長モードが追加される、または「ヴィオラートのアトリエ(PSP版)」のように無限モードが追加される

などの変更があるかもしれません。個人的にはマリーの故郷であるグランビル村が登場するイベントや、ロブソン村で幼いエリーを救うイベントが追加されると嬉しいですね。

また、エンディングが強制分岐ではなく条件を満たしたものから選択可能になる等、最近のアトリエの便利な仕様も採用される可能性があります。

初見殺しと試行錯誤の楽しさ

一般に昔のゲームは今のゲームと比べて難易度が高いと言われます。「マリーのアトリエ」も、チュートリアルの少なさと様々な初見殺し要素によって序盤はつまずきがちです。

例えば酒場の依頼。最近のアトリエは優しいので序盤では序盤にクリアできる納品や討伐の依頼が並びますが、「マリーのアトリエ」はレアアイテムや敵が強い場所の採取アイテムなどが平気で並びます。依頼に失敗すると名声という値が下がりイベント進行などが遅れます。

他にも主人公マリーは戦闘では非常に弱いのでお金を払って仲間を雇う必要があり、参考書や調合機材も何から買えばいいのか分からないので、お金を浪費していると外にも行けずアイテムも作れずお金も稼げず…といった状態になります。

また特定のアイテムの採取や調合を行うと激ムズのミニゲームが発生。失敗するとアイテムは没収となり、採取や調合のし直しが必要です。

このように色々ありますが、とはいえ期限はゲーム内で5年。初見殺しに引っかかったり試行錯誤する時間も含めてかなり余裕があり、先述の通りアカデミー卒業だけなら条件は緩いのでクリアが難しいわけではありません。試行錯誤の過程も含めて楽しめる、そして2周目は経験を活かしてもっと良いエンディングに行ける、そんなゲームだと思います。

リメイク版ではオリジナル版に比べると結構易しめに調整されて、その分強いボスの追加などがあるんじゃないかなと予想しています。映像には戦闘チュートリアルのようなシーンがあるので親切度は上がっていると思います。

激ムズミニゲームはオリジナル版未プレイの皆さんにも是非体験してほしいなー…常若のリンゴとか。

調合システム

オリジナル版の調合システムは1作目だけあってシンプルで、現在の特性や品質に相当する概念がありません。

逆に最近のアトリエでは採用されることが少ない調合成功確率と調合機材のシステムがあり、アイテムごとに指定された機材を持っていない場合は調合に挑戦することはできても成功率は下がります。

調合機材というのは遠心分離器、ろ過器、天秤、ガラス器具、乳鉢。ザールブルグ錬金術士は全部釜に入れてぐるこんしていたわけではないのです…。

リメイク版の映像では調合完成のシーンが映っていますが「クラフト 作成個数3」という表示しかないので、オリジナル版と同じシンプルなシステムかなと予想します。

また、公式サイトの画像妖精さんがいますね。リメイク版でも調合や採取を手伝ったり踊ったりと活躍してくれるでしょう。

最近のアトリエの多くに用意されている複製システムはオリジナル版にはありませんが、リメイク版で追加されるかもしれません。

戦闘システム

オリジナル版は戦闘システムもシンプルで、攻撃手段は通常攻撃の「たたかう」、スキル攻撃に相当する「ひっさつ」、そしてアイテムです。

マリーは序盤はほとんど戦力になりません。通常攻撃は弱く、「ひっさつ」は強いが覚えるために特定のイベントをこなす必要があり、アイテムは複製できず調合日数がかかります。しかし「ひっさつ」を覚えてステータスを上げると無双します。

また、マリーは今で言う戦闘レベルと錬金レベルが共通です。調合や依頼成功でも経験値が入って戦闘でも強くなります。次作の「エリーのアトリエ」以降は別々のレベルになったので、これは「マリーのアトリエ」ならではのレアなシステムです。

ではリメイク版はどうかというと…今回の映像だとよく分かりません。ナレーションが「もちろんバトルも一新」と言っていますが、言及しているのがシステム面なのかビジュアル面なのかは分かりません。戦闘画面に出ている情報も少ないですしあまり複雑にはならないと思いますが、戦闘バランスは大きく調整される可能性がありますね。戦闘レベルと錬金レベルは分かれそうな気がします。

便利機能

アトリエシリーズで少しずつ追加されてきた便利機能。リメイク版の映像でもそれらを確認することができます。

イベントシーンではイベントログ、早送り、スキップなどが確認できます。イベントスキップは周回プレイでは嬉しい機能ですね。

採取地ではそもそも歩き回れるのが大きな変化ですが、フィールド回復、クイックロード、工房に戻る、スイングなどの項目が見えます。マリーでスイングできる日が来るとは…。

戦闘中は早送りと自動戦闘(たぶん)の表示が見えます。

街中ではタウンマップがあるのでファストトラベルできるのかな?オリジナル版だと街に出てそのまま帰宅すると1日経っちゃうんですが、今思うと地味にキツいのでここは変わるかもしれませんね。また街中にフィールド回復の項目があるということは、オリジナル版と同様に帰宅しても全回復しないのかも…?

音楽

オリジナル版の作曲は山西利治さんと阿知波大輔さん。街中ではほのぼのした曲やクラシック曲(バッハ)が流れますが、いざ戦闘になるとオシャレカッコいい通常戦闘曲「星風」が流れます。本当にいい曲なので是非リメイクで聴いてほしい。

今回のBGMはリメイク版とオリジナル版を選べるようです。リメイク版を誰が担当されるのかは分かりませんが、当時と比べて音源なども進化しているはずなので、原曲の良さを保ちつつさらに深みのあるサウンドを期待しています。でもオリジナル版と選択できるのであれば思い切った曲風でのリメイクもアリかなと思いますね。

地味に気になっているのがエンディング曲「始まりの丘」。オリジナル版では歌なしですが、ヴォーカルヒストリアに収録されている歌ありバージョンがあります。この"みずさわゆうき"さんバージョンが流れても激アツですし、新しい歌手さんが参加されても嬉しいですね。リメイクでは歌あり版をちょっと期待します。

ちなみに映像では「祝典行進曲」が流れていました。チョイスがシブい。

終わりに

今後情報が明らかになっていくと思いますが、マリーリメイクの驚きと感動を書き記したい!という気持ちもあって発表当日に予想記事を書いてみました。

マリーのアトリエ」は初見の人も多いと思うので、ストーリーの展開などをTwitterに大量に流すのもどうなんだと思ってブログ記事を書いたという理由もあります。あと単純に、書きたいことが多すぎました。

次の情報公開は2月20日の生放送。そして発売は夏の予定です。「ライザのアトリエ3」と合わせて楽しみですね!