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アトリエシリーズとゲーム音楽とその他いろいろ

開発者インタビューから読み解く、今後のアトリエシリーズはどうなっていくのか?

最近のアトリエシリーズでは、ゲーム雑誌やWebメディアで開発陣インタビューが掲載されることが恒例になっています。私は元々インタビューを読むのが好きですが、「レスレリアーナ」の発表以降は特に注視するようになっています。それはゲーム性の大きく異なる作品が正統新作扱いで展開されたことで、今後のアトリエシリーズの展開時期・ゲーム内容についての不確実性が一気に増しているからです。

この記事では「レスレリアーナ」発表から半周年までのインタビュー内容から私が気になっている部分を読み解き、アトリエシリーズの中で開発陣が「レスレリアーナ」をどう捉えているのか、そして今後のアトリエシリーズがどうなっていくかを考えていきたいと思います。その上で私の希望・願望も語っていきます。

※(2024/04/26追記)本記事は4月13日に初版公開しましたが、今月の「レスレリアーナ」の展開内容(特に過去作キャラの扱い)を受け、少し厳し目のニュアンスに記載変更しました。安心するのは早かったですね。

※(2024/06/29追記)本記事の内容が拡大解釈された上に、まるでレスレリアーナ運営陣の見解の情報ソースであるかのように本記事が広められた酷い事例を見たため、同様のことが繰り返された場合に備えて念の為記載しておきます。本記事はインタビューに対する私の解釈・希望を述べたものであり、それをさらに拡大解釈すること自体は個人の自由ですが、運営陣の見解の根拠となるものでは決してありません。(そもそも元記事の公式インタビューのみがソースとして扱われるべきで、ただのプレイヤーのブログ記事をソースと呼ぶことがおかしいです)思い込みを論じて回るのは勝手ですが私を巻き込まないでください。

サービス開始前(2023年8月頃)

サービス開始前のインタビューです。ファミ通の方はレスレリアーナ発表当日に公開されたため、ユーザーの反応を見る前に録られたものです(4Gamerの方は不明)。

3度目のスマホゲームに挑戦した理由、共同開発チーム結成の経緯、A25を冠する正統新作として扱うことなどが語られました。過去作キャラが登場することはまだ「匂わせ」の段階だったので、気づいてほしいというアピールも感じます。

発表当日の生放送の時点で強いアピールポイントとなっていたグラフィックの品質だけでなく、生放送ではほとんど触れられなかったシステム面についても高い自信が見えています。ファミ通では次のように語られています。

(インタビュアー)続いて、システムについて伺います。採取、調合、戦闘といった『アトリエ』シリーズらしい要素はすべて盛り込まれていると考えてよいでしょうか。

(細井P)はい。調合など『アトリエ』シリーズの要素は、きちんとスマートフォン向けに最適化しています。

(山口P)『アトリエ』シリーズでもっとも重要な要素として、ゲームサイクルの中にしっかり取り入れています。これまで『アトリエ』シリーズに触れたことがない方でもプレイできるように手軽さを意識しつつ、やり込みたい方はガッツリ遊んでいただける仕様にしています。

(作田P)スマートフォン向けゲームでありつつ、『アトリエ』シリーズらしいゲームシステムにするために、何度か作り直しながら検討を重ねましたが、なかなかいい形にできたんじゃないかと自負しています。

また4Gamerでも次のように語られています。

  • おそらく,ファンの皆さんがイメージする「アトリエ」シリーズのプレイ感と大きくは変わらないはずです。
  • また当然のことながら,「アトリエ」シリーズらしく,アイテムの価値を担保したバトルシステムになっているので,プレイ感に関してもコンシューマゲームとあまり変わらないかと思います。
  • 「アトリエ」シリーズとしてはもちろん,RPGとしてもこだわり抜いたタイトルですので,そこは実感していただけると思っています。

実際にプレイした今、私が求めるアトリエ正統新作の基準で言えば全てが誇大広告なのですが、サービス開始前はこれだけのことを言っていたわけです。このインタビュー内容と実物との落差が、私が「レスレリアーナ」に失望した最大の原因です。

その一方で、コンシューマでも引き続きアトリエシリーズを展開していくということはこの頃から言及されていて、それは1つの安心材料でした。そのゲーム内容が「レスレリアーナ」の方向性に引っ張られないかという点が不安でした。

サービス開始後2ヶ月程度(2023年12月頭)

課金やガチャ等のスマホゲームとしての問題、アトリエ従来作と比較したゲーム完成度の問題、そして広報や運営に関わる問題など、まあ色々ありました。私は対応スマホを持っていなかったのでSteam待ちでしたが、調合の薄っぺらさ、爆弾の弱さと使い勝手の悪さ、重要オリジナルキャラであるイザナロマン未実装、などの情報を得て既に諦め気分でした。

問題だけではなくグラフィックやストーリーなどポジティブな面の評価もあり、実際にサービスが開始されてプレイヤーが増えてからは、プレイヤー間でも「ガチャゲーとしての楽しさを求める人」「推しの過去作キャラの登場を求める人」「アトリエ正統新作としてのシステム完成度を求めていた人」など多方面からの異なる意見が出るようになっていったと感じます。もちろんこれはきっぱり分かれるのではなくグラデーションであり、実際のスタンスは人それぞれではありますが。(私は順に0%、5%、95%くらいの割合です)

インタビューでもサービス開始前の雰囲気とはガラッと変わり、本文からは(笑)が消え、半ば反省会のようになっています。そしてこの時点でのインタビューで、サービス開始前にあれだけ推していた正統新作という扱いや従来作と比較したシステムの完成度には触れず、「ガチャゲーとしての楽しさや遊びやすさ」を重視・改善していく方向に舵を切ったと感じます。これは私目線では現実が見えているとしてポジティブに見ており、収益にも直結するので、誇大広告を押し通すよりも有意義だと感じます。

ファミ通誌面でのインタビューではアカツキゲームスの山口PがA25を冠していることについて言及していますが、ガストブランドの細井Pからは積極的な言及がなく(後に引用する「ナンバリングなのに...」という消極的な文脈のみ)、意図して控えているのであれば私にとって歓迎すべきことでした。

宣伝や運営面の課題を認識し改善に向かおうとしている一方で、

  • 「アトリエ」シリーズとして「絶対に外してはいけない」という部分のイメージは早めに掴めていた

という発言には大きな疑問符が浮かびますが、これはガストブランドではなくTeam NINJAの作田Pの発言であるため、致し方ないのかなという気持ちです。

他の観点では、過去作キャラが登場する理由についてようやく言及がありました。

なぜナンバリングなのに歴代作品のキャラクターが登場するのか、という点については、物語としてきちんと意味があり、「アトリエ」シリーズとして面白さや驚きをさらに増やせるのであれば、可能性としてはあっても良いのではないかと私は考えています。

これまでのユーザーさんにも新しいキャラクターの魅力を発見してもらえるのではという思いもあり、今作では歴代作品のキャラクターを登場させるかたちを採用しました。

「可能性としてはあっても良いのではないか」という言い方の時点で非常に消極的であり、結局「ガチャの弾が欲しい」という運営都合以外の必然性はないのね、という印象です。ですが外伝作品だったら十分納得できる回答でした。多様なifシナリオを展開できてガチャシステムに適したオールスターお祭りゲームと、キャラ・ストーリー・システム等全ての要素に必然性と一貫性を求めたくなる正統新作の、相容れなさを改めて実感しました。

台北ゲームショウ2024開催時(2024年2月頭)

このインタビューは個人的に重要だと考えています。記事タイトルにあるように、「レスレリアーナ」とコンシューマ作品の2つの軸でアトリエシリーズを展開していくという構想が語られたからです。該当部分を引用します。

4Gamer: 今後という意味では,新作がどうなるのかという点も気になるのですが,聞いていいですか。

細井氏: そこは,我々がまだ発表できておらず,ユーザーさんに申し訳なく思っています。「アトリエ」シリーズはコンシューマ中心で広がってきたシリーズなこともあり,おそらく,「レスレリ」の展開を見て不安を感じられている方もいらっしゃると思うんです。  もちろん,コンシューマ向けの新作の「アトリエ」も開発中です。

4Gamer: 「秘密」シリーズとは違う,新シリーズということですよね。

細井氏: シリーズになるかは,まだ分からないですが,我々としては,その新しい世界と「レスレリ」の世界,2つを軸に展開することで,これまで以上に「アトリエ」シリーズを広げられると考えています。

アカツキゲームスの田川Pから「ポータル」という言葉も出ているように、「レスレリアーナ」はコンシューマ作品と並行して展開していくものであるという位置づけです。私のイメージとしてはフィギュアなどの各種グッズに近い印象で、関心も金銭感覚も異なる消費者層に対して、従来のコンシューマゲームとは異なる商品をアピールすることで幅広く収益を獲得しながらアトリエの知名度を広げていく、その一手段がガチャなのだろうと。A25などと言わず最初からその方向性を掲げてくれたらどれだけ良かったか。

あらゆる点で従来作と大きく乖離した「レスレリアーナ」のゲームとしての方向性や価値判断を、決してコンシューマ作品に持ち込まずガチャゲーの中だけで完結させ、そしてガチャプレイヤーから稼いだ利益がコンシューマ作品開発に使われるのであれば、私個人としてはドライな損得勘定で見れば歓迎すべきことです(心情的に思うことはいくらでもありますが)。

そして次のコンシューマ新作を予想する上で見逃せないのが「シリーズになるかは,まだ分からないですが」という一言。本当にまだ決まっていないのか単に伏せているのかは分かりませんが、色々な可能性を考慮する必要がありそうです。

てっきり私は「レスレリアーナ」発表当初、BLUE REFLECTIONシリーズのように同一世界観でコンシューマ作品とスマホ作品が混在するのかな?極夜シリーズみたいなのが始まるのかな?と思っていましたが、「新しい世界と「レスレリ」の世界」と並べて書かれているのであればその可能性は低いかもしれません。

半周年施策開始直前(2024年2月末)

現時点で最新のインタビューです。半周年というタイミングでストーリーの山場、システム面の改善について語られました。私は既に「レスレリアーナ」をアンインストールしているので実際のプレイ体験ではないですが、調合リソースやスタミナ、編成などの不便さに対して思い切った緩和に踏み切り、これまでのアトリエ作品との関係を度外視した"ただアトリエコンテンツを利用しているだけのガチャゲー"として見るのであれば、良い方向に向かっているのではないかと感じます。アトリエ正統新作としての問題点は何も改善されていない(逆に悪化した点もある)上に今後改善する意思を1ミリも感じないため、私がプレイを再開する予定はないですが、黒字なら短期集中で稼げるだけ稼いでから速やかに終わって欲しいし、赤字なら今すぐにでも終わって欲しい、そういったドライなスタンスです。

3つ全てのインタビューで細井Pからコンシューマ新作のことが言及されており、この点は非常に心強いです。また4Gamerの記事では「こちらの続報は,2024年内に発表できればと考えています」と具体的な時期も示されました。

4Gamerのインタビューより、スマホ展開とコンシューマ作品について触れている部分を引用します。

4Gamer:先ほど話の出た「スマホ展開」については,どのような声があったのでしょうか。

細井氏:約4年続いた「秘密」シリーズが終わったあと,スマホを選んだことに関してや,「「レスレリ」が新シリーズとしてCSが発売されずにこれから3~4年続いていくのだろうか……」といった不安を抱かせてしまったのではないかと思います。そこは真摯に受け止めなければいけません。

以前もお話ししましたが,ライザを主人公とした「秘密」シリーズのあと,より多くの人に「アトリエ」シリーズをお届けしたいと考えました。そこでスマホという選択肢のひとつを取ったのですが,タイトル発表の方法に関しては, たとえば,コンシューマの新シリーズとスマホの新シリーズを同時に発表するなどで,もう少し違った反応やご意見をいただけたのかなと考えています。

4Gamer:スマホに行ったっきり,帰ってこないシリーズもありますからね。先日公開となったインタビューなどで,今後もコンシューマ機やPCで新作が出るのが分かって,ファンは安心したんではないでしょうか。

細井氏:そこはぜひ,ご安心いただきたいです。

細井Pの回答にある「コンシューマの新シリーズとスマホの新シリーズを同時に発表する」というのは、(新シリーズではないものの)「リディー&スール」と「アトリエオンライン」の発表時に取られていた形式であり、当時の私の印象は決して悪くないものでした。一方で今回は「アトリエ新作発表」と1週間前に告知してからの騙し討ちのようなスマホゲーム発表でした。あたかも後から気付いた反省事項のように語っていますが、この反応を事前に予期できずに軽々しく実行したことに呆れます。しかし改めて言及されたのは今後に繋がる良いことだと思いますし、二度と繰り返さないことを願います。

細かい言葉を見ると「コンシューマの新シリーズ」という言い方が次作のヒントにも感じられますが、あくまで例示であり深い意味はないかもしれません。

まとめ

ここまでのインタビュー内容を、私が受けた印象を交えながらまとめます。

  • 「レスレリアーナ」の正統新作としての完成度や従来作と比較したプレイ感はサービス開始以降言及しなくなり、あくまでガチャゲーとして改善・運営しプレイヤー層の信頼を取り戻していく方針が見えた(あくまで方針が見えただけで、それが十分に実行されるかは別問題)
  • 「レスレリアーナ」をアトリエシリーズのポータルと位置づけ、コンシューマ作品と並行する2軸で展開していく方針が示された
  • コンシューマ新作の情報は2024年内に出る見込みであり、純粋な新シリーズではない可能性が高い。また「レスレリアーナ」と世界観を共有して極夜シリーズのようなものとなる可能性は低い

これまでのブログ記事にも書いている通り、私は「レスレリアーナ」の方向性がコンシューマ新作に伝染することを最も恐れています。なのでガストブランド外の運営陣はともかく、細井Pが(明示的な撤回ではないものの)「レスレリアーナ」を正統新作としてアピールしなくなったことがインタビューにおける最大の好材料であり、今後のアトリエ正統新作の流れを「レスレリアーナ」の方向性にシフトすることはなく、従来作から正統進化したコンシューマ新作を作ってくれることを期待しています。今後のインタビューでもその点は引き続き注視したいと思います。

とはいえここまで酷いものを見てしまった以上は、肝心のコンシューマ新作の中身も、ゲーム情報が出て実際に遊んでみるまでは不安が残ります。しかし「レスレリアーナ」と「ソフィー2」のクレジットを確認した限りゲームデザイン関係のメンバーはほとんど重複していないので、従来作の開発チームが引き続き担当してくれるなら希望は持てます。総合プロデューサー続投の可能性も十分考えられますが、システム完成度が高かった「リディー&スール」や「ソフィー2」も細井Pの担当作ですし、良くも悪くもゲームとしての中身は現場に任せるタイプなのかなと。「レスレリアーナ」の価値判断を持ち込まないことを祈るばかりです。

ということを踏まえ、ここからは完全に私の妄想ですが、「A26」を冠するであろう次のコンシューマ正統新作を何パターンか予想してみます。(マリーリメイクに続くエリーリメイクのような作品は別枠として除きます、出してほしいけどね)

①そうは言っても完全新シリーズ

さっき純粋な新シリーズではない可能性が高いと書きましたが、何だかんだで一番順当なのはこれかなと。完全新シリーズであれば世界観の構築やイラストレーター探しなどで時間は掛かりますし、コンシューマ新作の発売間隔が空くことを見込んで「レスレリアーナ」が必要だったというのも一理あります。

この場合はどんな作品になるのか本当に分からないですが…個人的な趣味としてはやはり和風アトリエを推したいところ。「アトリエオンライン」では和装した別世界の主人公が登場してましたが、こういうキャラで展開されるアトリエも新鮮だと思うんですよねー。

②過去シリーズなら順当な黄昏4作目

「ルルア」「ソフィー2」と完結済みシリーズの4作目が作られる流れがあるので、アーランドと不思議に挟まれている黄昏の4作目が作られるのも予想しやすい流れかなと思います。「レスレリアーナ」に黄昏キャラの登場が多いという理由もあります。

既存3作の中で度々言及されていながら未だに謎が多い「中央」という分かりやすい題材があるのもポイントです。残された謎を回収しながらストーリーを構成していくという点で「ライザ3」に近いストーリー構成になりそうだなと。

商業的理由で主人公がエスロジ続投になりそうな気配もしますが、できれば新主人公で他の新キャラもしっかり目立つような作りだといいな…。パーティ加入する既存キャラを絞るのが本当に大変そうですが、ただの同窓会パーティにしないためにしっかり絞ってほしいです。

③商業的理由で秘密4作目

秘密シリーズの4作目はいずれ出るとは思っていて。まだ早いかなという気はしますが、「レスレリアーナ」で掴んだ新規プレイヤーをコンシューマに流すなら、ライザが出る作品をさっさと出したほうが良いだろうという理屈です。ライザの弟子が主人公というのが王道パターンでしょうか。

個人的には秘密シリーズ新作を作るなら、何作品か間を置いて技術力を高め、リアルタイム戦闘のシステムをもっと作り込んで欲しいなと思うところ。ただ次作が秘密シリーズと無関係の世界観で、そこに集客用ライザを連れてこられるのも予想できてしまうので、それをするくらいなら秘密シリーズ続行でいいかなって…これは完全に商業的理由(ライザを出したいのならという観点)での予想です。

④まさかのザールブルグ4作目

意外と可能性があると思っています。リリー・マリー・エリーの3人が実際にザールブルグに集い、グラフィック・システム共に正統新作のクオリティで作られるザールブルグのナンバリング4作目です。

マリーリメイクはデフォルメ頭身や当時のプレイ体験を残したシステムなど私は楽しめましたが、やはり現代基準のグラフィック・システムを求める声もあり。マリーリメイクの反応を受け、同じ方針でエリー・リリーとリメイクを進めるのではなく、正統新作としてザールブルグの世界を描こうという企画が立ち上がることもあり得ます。

「レスレリアーナ」に初代ディレクターの吉池さんが監修として関わっていて、この3人のイベントストーリーも手掛けられているので、引き続き吉池さんに関わってもらいながらザールブルグ4作目が作られるならとてもアツい話だなと。

年齢差があるのでエリー卒業後の話だとリリーは50歳近くになってしまいますが、リリーだと何となく大丈夫な気もしています。ザールブルグとグラムナートは同一世界なので、グラムナートのキャラも登場するかもしれません。

ということで、4つの案を出して妄想を語ってみました。実際どうなるかは分かりませんが、次のコンシューマ正統新作の発表が楽しみです。ここまでお読みいただきありがとうございました!