Ultimate Rondo

アトリエシリーズとゲーム音楽とその他いろいろ

レスレリアーナのシステム紹介や第2回生放送を受けて

「レスレリアーナのアトリエ」、第2回生放送やそれまでのインタビュー記事などで新しい情報が公開されました。本ブログで「レスレリアーナ」の記事は既に3本目となりますが、今回公開された情報に対する感想を書いていこうと思います。

今回の記事における主な情報源は、公式Twitterアカウントで公開されたシステム面の画像や動画、8月26日に公開された4Gamerのインタビュー、そして8月28日に配信された公式の第2回生放送です。

https://twitter.com/Atelier_Resleri

[インタビュー]「アトリエ」最新作は,シリーズ最高峰のキャラクターの表現に自信アリ。「レスレリアーナのアトリエ」で目指すものとは

第2回レスレリ生放送 - YouTube

今後のコンシューマ展開について

システムの話に入る前に、アトリエシリーズの今後のコンシューマ展開について。初報と同日に公開されたインタビューにも書かれてはいましたが、その後公開されたインタビューでも「当然のことながら次のナンバリングのコンシューマゲームも継続していきます」と明言されています。そして第2回生放送の最後でもコンシューマ作品について言及されたので、その点は信頼したいと思います。

「次のナンバリング」のコンシューマゲームなのか、次の「ナンバリングのコンシューマゲーム」なのかは分かりませんが、希望としてはすぐにでもコンシューマに戻って来て欲しいです。

以前の記事に書いたことの繰り返しとなりますが、「レスレリアーナ」のオフライン版リメイクも是非検討していただければと思います。このキャラクターと世界観によって作られるゲームをずっと長く楽しみたいし、量産型スマホゲームだけで使い潰すのはもったいないです。

システムについて

公式Twitterアカウントや第2回生放送でシステム面の情報が少しずつ明らかになってきました。私の印象を一言で書くと、

量産型スマホゲームのシステムの表面にアトリエシリーズの要素を薄く貼り付けた作品

です。インタビューでは「調合など『アトリエ』シリーズの要素は、きちんとスマートフォン向けに最適化しています。」と語られていましたが、順番が逆です。

スタミナ、ガチャ、凸、デイリークエストなどのシステムは、アイテム課金型のゲームがプレイ継続日数引き伸ばしと課金促進のために、コンシューマゲームとは全く別の論理で確立してきたテンプレートのようなシステムです。完全に運営側の都合で実時間の縛りが付けられ、そのせいでプレイ体験が分断される中で、いかにスタミナを効率よく頭を使わずに消化できるかという論理で設計されています。そのため文脈を思い出す必要がないようにシステム全体が単調化し、自動周回機能や細切れの報酬などが充実しています。

あまりにテンプレすぎて最近の人気スマホゲームではスタミナ等を採用していないものも多いと聞きますが、「レスレリアーナ」はまさにこのテンプレシステムをべったり採用しています。その表面だけにアトリエシリーズの要素を薄く貼り付けた結果、

  • 「全自動で周回してください」と言わんばかりの単調な一本道探索
  • 悪くはないが、イリス・マナケミアシリーズくらいのシステムの完成度に逆戻りしたような調合
  • そしてその両方を実時間で縛る最悪のスタミナ制度

が生まれてしまい、私は失望しています。今作をナンバリングタイトルとして見ると、何故か15~20年くらいシステムが退化した上にわざと遊びにくくされてて、これまで地道に積み上げてくれた改善が全部吹っ飛んでいると言わざるを得ません。

調合のスタミナに関しては第2回生放送で「入手手段が豊富なので調合できなくて困るようなことはない」と言われていましたが、そんなものはプレイスタイル次第でいくらでも変わりますし、仮にとてつもなく潤沢にもらえるなら何故そんな無意味なシステムを廃止せずに採用したのか?という話です。テンプレシステム一式を何が何でも採用する、その前提で全部考えていないでしょうか?

従来作品からあまり変更のない戦闘システムや、時代は逆戻りしているもののアトリエらしさを感じる調合システムは良いと思います(※あくまで詳細を知らない記事執筆当時の印象)。しかし結局それはプラマイゼロであって、ナンバリングタイトル新作として進化した、素晴らしくなったと思える点は今のところ皆無です。

仮に今作をスマホゲームに再挑戦した外伝作品として捉えるなら、システムやプレイ感は大きく異なる前提で考え、逆にアトリエらしさを感じる点について好感を持ったと思います。私がプレイ済みの過去作を挙げると、

  • 「リーズ」「アニー」「リーナ」のDS3部作は、システムとしてはザールブルグ~グラムナートに逆戻りしているが、携帯機版の外伝として十分楽しめた
  • 「アトリエオンライン」はあくまで外伝作品であり、オンラインゲームならではの機能としてマルチプレイも可能だった。またタイトル発表も「リディー&スール」のタイトル発表の直後に行うことで従来作品ファンのケアもされていた
  • 「ネルケ」は街づくりがゲームの主軸であり、過去作キャラの集結が大きな魅力だったため、探索や調合はオマケ程度でも十分楽しめた

などがあります。どれもナンバリング新作ですと言われると戸惑いますが、それぞれの立ち位置を踏まえた上では妥当なシステム設計に思えました。

比較して今作は、従来作品で積み上げてきたものと完全に分断された借り物のスマホゲームシステムをそのまま使っておきながら、「シリーズの正統新作」「おそらく,ファンの皆さんがイメージする「アトリエ」シリーズのプレイ感と大きくは変わらないはずです」と語られており、私の感覚とは非常に大きなズレを感じます。ナンバリングが付いているかどうかは本質的な問題ではありませんが、量産型スマホゲームシステムを持ち出して「プレイ感は変わらない」と言われてしまうと、今後のアトリエ作品のシステムに対しても大きな不安を持ってしまいます。

過去作キャラについて

アトリエ従来作品の要素やキャラクターが関わることについては、新しく公開されたインタビューでも積極的に匂わせ言及を行っており、アピールしたいという意図を感じます。そして第2回放送では非常に多数の過去作キャラクターが登場する映像と、リリース時点で30人のキャラクターが登場することが告知されました。

私はアトリエ過去作は全て好きですし、2D時代のキャラクター達が3Dで動く姿には感動しました。一方で今作でのキャラクター達の扱いについては冷ややかな印象です。恐らくガチャの題材になるだろうという点もありますが、そんなことよりも「過去作キャラが好きだから登場させる」という思い入れや「歴代アトリエキャラでないと出来ないことがある」という必然性を全く感じないことが原因です。

これは「ネルケ」との決定的な違いです。「ネルケ」はアトリエ20周年記念作品であり、発売前インタビューでも「好きなキャラクターを中心にしてアトリエシリーズへの思い入れを表現してもらい,ユーザーさんが自分自身のものを作れるような仕組み」と語られていて、実際にプレイすると予想以上の過去作ネタの掘り下げの深さに驚きました。ネルケ自身も錬金術が使えない主人公として、オリジナルストーリーもありながら過去作キャラたちを引き立てるようにデザインされています。そこには過去作キャラでなければならない理由があったわけです。

対して今作ではインタビューで、コーエーテクモがアカツキゲームスから「長期運営をするうえで、これくらいのリソースが必要です」と言われて大変だと思ったというエピソードが語られました。これは多少ひねくれた視点ですが、「過去作キャラを出したい」ではなく「イベントやガチャの題材として必要」だから組み込んだのではないかと思ってしまいます。

結局第2回生放送では、何故過去作キャラクターが登場するのか、今作に過去作キャラクターを出してどうしたいのかという点は語られませんでした。「ネルケ」のようにコンセプトの主軸に据えるわけでもなく、ルローネ・パメラ・ロジー・ハゲルのように単なるお遊びやファンサービスとして組み込まれるのではなく、ただ「過去作キャラをたくさん出します」ということを無条件にセールスポイントにしたがっているような姿勢なのは、そもそも今作における過去作要素というものが運営側の都合で使わざるを得ない半端な位置づけになっているからではないでしょうか。ナンバリングタイトルとして今作のキャラクター・世界観・物語をしっかり描けるのであれば、過去作キャラは必要ないはずです。

例えば「ソフィー2」では、ソフィーとプラフタ以外の続投キャラの登場をあえて避けています。インタビューではその理由として「見知ったキャラクターばかりで、スピンオフのように見えるのは避けたかったんです。今回は、きちんとした新しい物語を、シリーズ最新作として描くということがコンセプトとしてありましたので。」と語られています。「レスレリアーナ」で起こっているのは、まさにこの記事で避けたかったと語られていることです。

さいごに

「レスレリアーナ」の記事はこれで3本目になり、その全てで今作のシステム面を酷評しました。気分を害してしまった方はすみません。私はアトリエファンの意見を代表したいわけでも、これを「炎上した」「今回の騒ぎで云々」「シリーズ終わったな」などと外野の評論家ぶりたいわけでもありません。ただ1人のプレイヤーとしてとても悲しい気持ちを吐き出しています。

以前の記事で私は「開発の方々が作りたいものを作るのが一番だし、それを楽しみたい」と書きました。それは当時のアトリエ作品において、もし自分の見たい作品やキャラが取り上げられなくても、自分の好きだったシステムが廃止されても、インタビュー記事等で判断の理由が語られ、それに概ね納得できたからです。

今作にはその納得感が一切ありません。量産型スマホゲームをやりたいのであればアトリエである必要が全くないし、ストーリーやグラフィック重視のRPGをやりたいのであればオンラインである必要が全くありません。何故こんな工夫のないシステムになってしまったのか、何故そんなに自信満々に「正統新作」「プレイ感は変わらない」と言えるのか、何故中途半端に過去作キャラクターを出しているのか、全てに納得感がありません。まるで「量産型スマホゲームをナンバリングタイトル扱いで売り出せ」という結果ありきの状態から何とか使える材料を集めて言い訳を考えているかのようです。

そもそもナンバリングタイトルという概念や「A◯◯」という番号表記自体、以前はゲームのエンドロールでも掲げられていましたが、最近は公式情報の中で見る機会が激減していました。それを今回殊更に使っているのは、スマホゲームを失敗させないためにナンバリングという箔を使わざるを得なかったのではないでしょうか。そう邪推してしまうくらい、A23やA24のシステムと比べてあまりに非連続的であり全くの別物です。

システム以外は本当に素晴らしいのです。部分的には非常に魅力的な要素があるだけに、ゲームの根幹をなすシステムに一切の工夫がないこと、それが「プレイ感は変わらない」と主張されていること、そしていずれサービス終了によって遊べなくなってしまうことが本当にもったいなく思います。せっかく産み出された魅力的な世界観やキャラクターが、じっくり熱中して遊べる快適なコンシューマ作品として生まれ変わることを心から願っています。