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「ライザのアトリエ」アニメ第4話までの感想

「ライザのアトリエ」アニメ第1話から第4話までの感想記事です。

注意点として、原作ゲームでの終盤までのストーリーに少し触れるため、アニメの今後の展開にも関わるネタバレを含むことにはご注意ください。

第1話を観た時点での感想はこちらです。

世界はそのまま、表情はより豊かに。アニメ「ライザのアトリエ」1話をゲーム勢が観た感想 - Ultimate Rondo

また、原作のシナリオライターとアニメのシリーズ構成を担当されている高橋さんのインタビューも非常に良いインタビューだったので、こちらも引用しながら記事を書いていきます。

アニメ『ライザのアトリエ』シリーズ構成・高橋弥七郎氏にインタビュー。人々との交流を通じて描かれる、ライザの成長が見どころ | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

ストーリー構成

アニメは第4話までということで、1クールであれば全体の3分の1が進みました。しかしゲームのメインストーリーの進行度としては序盤中の序盤までしか進んでいません。

一方で、ライザが錬金術を知ってから熱中していくまでの過程が丁寧に描かれたのは嬉しいですし、サブクエストの中でも素敵な話であるバーバラとパットの話を丁寧に映像化してくれたことも嬉しいです。

高橋さんのインタビューでは「なるべく原作に沿って、収まりのいいところまでを丁寧に描こう、という結論になりました」と語られています。第4話まででこの進行度だとゲームのラスボスまでは進まないのかな…?私はそれでも良いと思いますが、原作ストーリーでどこまでが収まり良いかというとあまり心当たりがありません。あと些末な話ですが、サブタイトルの「常闇の女王」が回収されないですね…。

ゲームと違うところで最終回を迎えるとなると必然的にアニオリ展開になるので少し不安ではありますが、そこは高橋さんの構成力に期待しています。

声優さんの活き活きとした演技

ゲームのイベントを再現していると、どうしてもアニメとしては1つ1つの場面が単調になりがちです。デフォルメされたギャグシーンなどもない中で、飽きさせないようにしてくれている最大の要因は声優さんの演技だと思います。ライザ役であるのぐちさんを筆頭に、声優さんの活き活きとした演技は本当に素晴らしいと思います。

調合シーン

第2話以降、ライザが調合をするシーンに専用のアニメーションが付くようになりました。材料と材料を繋ぐ演出で、恐らくゲームのリンケージ調合をイメージしていると思われます。

これはあくまで私個人の感想なのですが、ちょっと…いや、けっこうダサいと思います。

  • 出来上がりの「ジャン!」のダサさ
  • 錬金術や調合の工程をどういうものとしてイメージさせたいのか結局よく分からない
  • ライザの身体を強調するカット以外の、明らかな演出や作画の手抜き加減
  • 他の部分の演出がイマイチな分、余計気になってしまう過剰なライザの身体強調

など、原作ゲームのほうが演出が遥かにスマートですし、アニメでも第2話の失敗した時のようなシンプルな演出のほうがマシです。錬金術がテーマの作品において重要なシーンを、安易な身体強調の材料にしていませんか?

原作でもアニメでも、あれだけ身体を強調するアングルがあるにも関わらず私が楽しめているのは、作品におけるそれ以外の魅力が十分大きいからです。調合シーンは全体の印象が悪いので、相対的に短絡的なエロが目に付き、これライザの身体を強調するためにやってるの?と思ってしまいます。アニメ全体(あるいはゲーム全体)がこうなってほしくはないな、という危惧が小さいスケールで具現化されたシーンでした。

しかしこのシーンにライザのキャラクターとしての魅力や錬金術の演出の良さを感じている人もいるかもしれないので、あくまで私の感想です。

戦闘シーン

第1話の戦闘は流石にテンポ悪すぎないかと思いましたが、戦闘慣れしていないということを示す描写だと思えば納得できました。そして第4話の戦闘シーンはレントの剣やライザのアイテムなどが活躍し、演出もなかなか良かったと思います。

タオの活躍

ゲームの戦闘ではどの仲間キャラも長所があって活躍できるのですが、アニメの戦闘でタオが活躍するシーンはまだありません。しかし第4話で古代文字を解読して仲間を救うという活躍を入れてくれたのは本当に素晴らしいと思います。

原作のストーリーイベントでは、タオは終盤に覚醒するキャラです。古代文明の謎を解明して過去の問題に立ち向かっていくという過程において、タオは勉強した成果を存分に活かし本当に頼もしくなります。アニメのストーリーがどこまで進むかは分からないですが、原作でも描かれたタオの活躍を早期にシナリオに組み込んだのはとても良いと思います。

太ももアングルやるなら、シリアスなシーンでは自重してくれ

アニメーターの趣味なのか世間の短絡的なバズりに迎合してなのか分かりませんが、OP映像/ED映像そして全ての話で複数回、不必要または不自然にライザの太ももを強調するカメラアングルが存在します。

それ自体については、そこを楽しみに観ている人々もいると思うので否定はしません。というかまあ原作通りです。私も改めて原作を最初からプレイしているのですが、ここまであったっけ?というくらい露骨なアングルや胸揺れが多くて驚きました。これ自体についてアニメに文句を言うのはお門違いです。

しかし第4話、ライザが爆弾の破壊力の大きさとその危険さを考慮できず、それをアンペルが厳しく諭すシーン。アンペルは錬金術の強すぎる力とそれを使う人間の無責任さが過去に起こした愚行や惨劇を嫌というほど理解しており、原作のストーリーを(特に「ライザ3」まで通して)知っている身からすると本当に重い言葉、重要なシーンなのです。このシーンをアニメに入れてくれたことは嬉しい一方で、何で無神経に太もものアップばっかり映してるんですか?ここの構図考えた人ストーリー理解してます?エロ混ぜてダメな場面の分別くらいつけましょう?

ここだけは本当にやりすぎ、意味不明、ストーリー軽視だと感じました。安易で短絡的なエロやバズりネタへの迎合が、作品が持つ他の大事な魅力を邪魔して破壊するという、私が原作の秘密シリーズを通して大きく問題視し嫌っていたことが、アニメでも行われてしまったことは本当に悲しいです。

おわりに

この記事で書きたいことは最後の項目が6割くらいです。とはいえ嬉しい要素ももちろんあったので、ネガポジのバランスを取っているわけではなく褒めている点も私の正直な気持ちです。

全体の3分の1となる第4話または半分となる第6話くらいで中間感想記事を書こうかなとは前から思っていたのですが、今回の第4話がきっかけとなって記事を書くに至りました。

まあでも、ゲームでもイベントの雰囲気お構いなしに服を雨で透けさせた「ライザ2」の例は似たようなもので、歴史は繰り返すのだなと。アニメの今後の回に対する不安は増大しましたが、過度な期待はせずに楽しめるところを楽しんでいこうと思います。