アニメ『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』、ついに第1話が放送されました!
アトリエ作品のアニメ化は「エスカ&ロジーのアトリエ」に続く2作品目です。期待しつつ不安もありつつ1話を観たのですが、原作ゲームファンとして触れたい要素がたくさんあったので感想記事を書こうと思います。
※文章中の「ライザ1」「ライザ2」「ライザ3」はそれぞれ原作ゲーム作品を指します。
クーケン島周辺の原作に忠実な描写
1話の冒頭はゲームと同じく、ライザがクーケン島の村の中を走り抜けるところから始まります。「ライザ1」の舞台はクーケン島とその対岸周辺で、これは最近発売された「ライザ3」にもほぼそのまま登場した場所なのでとても見覚えがあります。その場所がしっかりアニメで忠実に描かれ感動しました。
村の風景の中に登場する住民たちもゲームの3Dモデルを参考に描かれていて、見たことある姿ばかりでした。開始30秒で例の漁師が出てきてウッとなりましたが、まあここも原作通りということで。
表情豊かなキャラクターたち
キャラクターデザインは概ね原作通りなのですが、アニメでより魅力的になったのが表情だと思います。ゲームの3Dモデルでは難しいコミカルな表情や仕草が多く、よりキャラクターが可愛く描かれたと思います。
ロミィさんの登場は嬉しいですね!ゲームでは「ライザ1」時点でボイスなしのキャラだったのですが、プレイヤーからの人気が高かったので「ライザ2」以降はボイス付きで登場したという経緯があります。アニメではしっかりボイス付きで登場してくれました。
ライザ猫っぽいな…?とか、ルベルトさん見た目若くね…?とか、アンペルさん目のクマすごくね…?とか観てる時は思ってたんですが、改めて原作のイラストや3Dモデルと見比べると、概ね忠実に再現しつつアニメで自然になるように調整されてるなと感じました。レントも「ライザ1」ではこんな髪型だったなーと思ったり。
「ライザ1」は最近のアトリエ作品の中では珍しく、ストーリーでけっこう明確に嫌な奴というのが出てきます。アニメ1話でもランバーはかなり嫌な奴感が出てましたねー。「ライザ3」までプレイして結末を知っている身としては比較的安心して観ることが出来ますが、今後の話数でどのように描かれるか気になるところです。
女性キャラの体型も原作通りではありますがそこまで極端ではなく、服を透けさせる「ライザ2」や体型極端な「ライザ3」をプレイした後だとアニメのほうが比較的マシに見えます。とはいえ場面によっては強調されていますし、狙ったようなアングルは多数あったように思いますが。
私はこれまでのブログ記事でも書いているように、アトリエキャラの性的特徴については肯定も否定もしませんが、そのために他の魅力が軽視されたり邪魔されたりするのは嫌だと思っています。1話時点ではストーリーや場面演出、そしてお色気だけに頼らないキャラの魅力もしっかり描いてくれたので、最終回までそうあってほしいと思います。
ストーリーはこれからの展開に期待
1話時点ではストーリーの流れはほぼ原作通り。クーケン島のしきたりなど、ゲーム内の世界観や設定を伝えるために説明口調のセリフが多いなとは思いましたが、まあ1話なので仕方ないでしょう。私は「ライザ1」の頃の細かい設定をかなり忘れているので、そうだったなと思い出すことができて良かったです。
ある程度は原作のストーリーを忠実になぞるのかなと予想していますが、アニメ独自の改変が入るのか、「エスカ&ロジー」のようにメインストーリーから外れたアニメ独自の回が挟まるのか、それらも含めて今後の展開に期待です。
エンディングまでの尺の配分は頑張って欲しいところ…アトリエのストーリーは長そうに見えてお使いイベントがけっこうあるので、そこをいい感じに端折れば1クールで足りそうな気はしています。
戦闘と調合はもう少し頑張って欲しかった
RPGをアニメ化した場合、戦闘シーンの描かれ方はけっこう気になりがちです。もう少しスピード感が欲しいなとは思いましたが、1話のライザ達は戦い慣れていないのでこういう描写になっているのかもしれません。声優さんのインタビューでも、戦い慣れていない表現をしてほしいというオーダーがあったと語られていました。今後の話数での迫力ある戦闘に期待です。
そしてアトリエシリーズならではの調合。「エスカ&ロジー」でも出来上がりが電子レンジみたいになっていてどう描くか苦労したんだろうなと思いましたが、今作でもたぶん色々悩んだ結果、あの泡に入って降ってくる演出になったんでしょうね…。原作でも「ライザ1」の調合では泡っぽいエフェクト(※動画注意)が出るのでそれを元にしたのかなとは思いますが、原作の表現のほうがスマートですっきりしていると思います。アトリエシリーズとしては調合は重要なシーンなので、もう少しダサくない感じで頑張って欲しかったなと。高度なアイテムを作るほど演出も変わっていくかもしれないので、こちらも今後の話数に期待ですね。
とはいえ、1話を1時間スペシャルにして調合シーンまで持っていったのはとても良いと思います。やっぱり調合してこそのアトリエシリーズですからね。
安心感のある音楽
BGM担当は柳川和樹さん、2010年の「トトリ」以来ほぼ全てのアトリエ作品に携わっている作曲家さんです。原作では5人の作曲家さんが担当されていましたが、柳川さん1人の担当になった分、原作よりもアトリエっぽくなった感じがしました。クーケン島の自然豊かな風景と柳川さんのアコースティックな作風がとても合っていました。
OPとEDの曲は、BGMとは対照的に良い意味でアトリエっぽくない曲だなと。元々原作の秘密シリーズでも、OP/ED曲はこれまでのアトリエと関わりのなかった(何ならゲーム全般と関わりが薄かった)ミュージシャンさんを起用していました。個人的にはOPの「ゴールデンレイ」がお気に入りです。
そしてサントラが単体で買えることがとても嬉しいです。ガストブランドのゲームでもアトリエ以外のサントラはゲームのプレミアムBOX限定だったりするので、もし円盤特典限定とかだったら非常に悲しかったです…。大変感謝。
その他細かいところ
ライザの初期武器が変な棒(唐棹という農具のようです)になってました。考えてみたら最初から錬金術士っぽい杖を持っているほうが不自然なので、これは良い改変なのかも?
クラウディアは1話では戦わないけど弓持ってましたね…?原作ではフルートを吹いて音符(?)で攻撃するキャラでしたが、流石にアニメでは無理があったでしょうか。
アンペルさんが助けてくれるときのタル型爆弾、あんなアイテムあったっけ…?と思っていましたが、見返したらあのシーンは原作通りでした。あれ何なんだろう…
ゲームにないシーンの補完でも、リストレア薬瓶や退魔のブローチなどゲームのアイテムがちゃんと出てくるのは嬉しいですね。退魔のブローチ、原作での効果はかなり攻撃寄りです。
うに(決して栗ではない)はいくつかの歴代アトリエ作品では拾ってそのまま敵に投げることが出来ますが、原作のライザは残念ながら投げることができません(コアクリスタル制ですからね)。直接掴んで投げられる人々は特殊な訓練を積んでいるのでしょう…。
まとめ
今回の1話を観た感想としては、ゲームの世界とキャラクターを尊重して作られていることに加え、アニメならではの表現でキャラクターの魅力を引き出し、原作のストーリーイベントの合間を補完して膨らませている点がとても良いと思いました。致命的な(理由不明、原作軽視と思うような)改変もなく、原作ゲーム勢の私としても大満足でした。
個人的な話としては、つい半年前に好きなゲーム原作のアニメで「1話時点では原作愛を非常に感じたが、後半に原作ストーリーのイベントやセリフが軽視されアニメ独自の改変で埋め尽くされて悲しくなる」という体験をしたので、ほんの少し警戒してしまいますし、ライザがそうならないことを願っています。
今後感想記事を書くかどうかは未定ですが、少なくとも最終話を観終わった後には書くと思います。アニメ放送はまだ始まったばかり、これからも期待しています!