Ultimate Rondo

アトリエシリーズとゲーム音楽とその他いろいろ

ソフィーのアトリエ感想いろいろ その2(戦闘・調合)

前回の続きです。今回は戦闘、調合、その他強化システムに関してです。

ソフィーのアトリエの感想いろいろ その1(ストーリー・キャラ) - Ultimate Rondo

戦闘

今回の戦闘は、ターンごとに全参加者が1度ずつ行動する戦闘となりました。ただしターンの中でどの順番に行動するかは、前回の行動後状態と、行動に必要な待機時間(WT)に依存して決まり、ここは従来のアトリエに近いものになっています。

発売前にターン制と聞いて、戦闘の進みが遅くならないかというのは懸念事項でしたが、今回は 早送りという素晴らしい機能があります。 既存作だと確かアーシャPlusにありましたが、ソフィーでの採用は非常にナイスです。もし早送りがなかったらちょっとキツかったでしょうね…。

またターン進行中はアシストも含めてオートで進み一切操作の必要がないので、その間にデータを打ち込んだり調べ物をしたりといったプレイがしやすくなりました。検証段階に入ると私はそういったスタイルになるので、ごく個人的な需要だとは思いますがその点も良かったです。

シャリーに引き続き難易度システムが導入されていますが、今作はプレイのやり方でもかなり戦闘の歯ごたえを調整できます。採取Lvによる敵能力値の上昇が激しく、複数マップの採取地で奥に突き進むと強い敵が出てくるので、緊張感のある戦闘もできますし、逆にこれらを避けてプレイすることで強い敵と遭わなくするという選択肢もあるわけですね。

アトリエは 戦闘と調合のどちらをがんばっても先に進める というのが大事な魅力の1つだと私は思います(典型例がトトリの免許システムですね)。その上で、このように自分に合ったやり方で戦闘を楽しめるのは素晴らしいことだと思います。

気になった点はアシストに関わるところですかね。スタンスの選択がわりと手間で、面倒なので全員同じスタンスにしちゃうことがほとんどでした。行動選択時に1つ前のキャラで選んだほうにカーソルが合うので、バラけさせるのが面倒なんですよね。スタンスはキャラごとに管理して、前のターンと同じところにカーソルが合ってたほうが私好みです。

あとはチェインリンクの値に依存して、出るアシストの人数が完全に分かれてますが、下位のアシストは出るようにしたほうが好み。例えば300%溜めてしまったのに、毎ターン誰か倒されちゃってスペシャルが出せない、という状態になるとかなりツラいです。それに限らず、300%溜めた状態で保持しておくのが非常に損なので、従来の必殺技のように温存して発動タイミングを図る、という戦闘がしづらいですね。

調合

調合に関してですが、今回はパズル形式で、従来の数値・ゲージに加えて材料と釜の形が重要な要素となっています。

調合も戦闘と同じく、求めるレベルに応じた楽しみ方ができるようにデザインされています。そこそこ強いアイテムを作りたければ直感的にボーナスを集めればいいですし、究めたければしっかり計算して材料も厳選する必要があります(主に形とサイズを)。

黄昏の調合が分かりにくいという話をたまに見ますが、あれは「そこそこ強いアイテムを適当に作るにはどうすればいいの?」ということが少し伝わりづらかったからではないか、と思っています。今回はそこが図形化されることで分かりやすくなったのではないでしょうか。

また今回、特性付与に関するコスト(従来のコストレベル、PP)が撤廃されました。アーシャはPP制ではないものの付与の優先順位を選べなかったので、ソフィーのシステムはこの点に関して非常に自由だと言えます。これは、制約のあるなしどっちが好みかは悩むところ。ただソフィーは既に、継承したい特性・品質・サイズの3つも調合材料に求める要件があるので、それにPP確保用特性が加わるとかなり苦しくなるかもしれませんね。調合の複雑さの総合値を考えるとPP制約はなくて正解かな。

気になった点としては、シャリーから導入された品質のインフレ(最大値999)は、個人的には若干やりすぎかなあという気がしていて。単純にでかい数字を追求するのもまあ楽しいんですが…天然素材と調合品の格差が大きすぎるんですよね。天然素材を積極的に(強制でないレシピで)使うことのメリットがほぼゼロなので、調合の幅を狭める要因になってしまってるんじゃないかなあ。

あと時間制限の釜はあまり好みではないかな。材料や投入順番をこねくり回しての試行錯誤がやりにくくなるのはわりと致命的。どうせ調合前にセーブして爆発したらロードするので、リスクは時間コストに変換されちゃうし。

何だかんだで調合はアトリエの肝ですし、今回かなり新鮮なシステムを作ってくれたので、ソフィーの面白さに大きく貢献したんじゃないかと思います。

その他強化システム

具体的には武器防具の強化とドールメイク、そしてLv20以降のアビリティ(シャリーでいうグロウシステム)ですかね。アビリティという言葉はゲーム的には意味が広すぎていまいちしっくりこないので、グロウシステムって呼んじゃってますが。

武器防具強化もドールメイクも、強化に使うアイテムや特性によって個別に強化値が定められており、ボリュームのあるシステムになっています。その分ブラックボックスなデータが多いとも言えますが、 本当に究めたいと思っている人はがんばって調べるはず ですし、何となく感覚でやってもゲームクリアに一切の支障はないので、これでいいと思います。

グロウシステムは、シャリーとは違って強化ポイントを無制限に溜められて、また必要経験値が雪だるま式に増えていくようなこともないので、扱いやすいシステムになったと思います。まあ一度獲得したものを元に戻せないのがちょっとつらいところではありますが…そういう需要はさすがに少数派ですかね?

ゲームバランス

上記システムを総合したバランスについて、一応触れておきたいと思います。私は1周目HARDでプレイしましたが、少なくともゲームクリアまでに関しては、なかなか良いバランスだったと思います。合成で作れる最上級の特性を揃えて、HARDのラスボスにそれなりの歯ごたえで挑める程度。ドラゴネアさんはもうちょっと強くてもよかったかも。

一方、様々な方面でゲームクリア以上のレベルを追求していくと、特別に強い要素があるのは事実です。非常に強いアクセサリはいくつかありますし、ドールメイクを追求するとプラフタと他キャラの強さはかなり異なるものになります。ただがんばって色々追求・調査すれば強くなれるのはゲームとしては当たり前のことですし、アトリエは特に代々それが重視されてきたので、個人的には多少突出したものがあったほうが面白いと思います。

今作はアップデートで色々と実装変更が行われ、突出して強い要素が弱くなったりしました。そもそもガストちゃんの動きがこうなった原因は強い要素を壊れだのなんだの言って騒いでた人たちにあると思うのですが、 強い要素がそんなに嫌なら使わなければいいだけの話 なので、ガストちゃんがあんまり気にしなくてもいいのにな、と私は思ってます。

次回予告

次は全体的なシステムやインターフェースについて書く予定です。それでひとまず、この一連の感想記事は終わりかな。

音楽については前にいっぱい語ったので今回は省略。ボーカルアルバムの感想はそのうちまた別記事で書きます。